トルガルト峠(图噜噶尔特山口、Торугарт)越え

キルギスに向けて出発

ウルムチの旅行会社で手続きはしたものの、朝ちゃんとガイドが来るのか、心配性な私。朝8時半出発なので、(前日の中国人団体旅行の出発時にエレベータに乗れないぐらいごった返していた例を見たのもあり)8時ごろからホテルのロビーで待機していた。DSC_0001
10分前ぐらいには来るだろうと外を見ていてもいっこうに現れない。カシュガルは北京から西へ約3000kmも離れているが時差はない。このため朝8時半でも真っ暗(時差があれば6時ぐらい)なので、よけいにガイドが来ないのを不安に感じていただが、なんと、8時半ぴったしに車が到着。この人たちはどっかで待機してOnTimeを狙ったのかと思うくらいだった。

国境と出国手続き

中国の陸路での国境越えは初めて。特にキルギスに抜けるイルケシュタムとトルガルトは苦労することで有名だが、全くイメージができていなかった。

出国するにはまず、国境から100kmぐらい離れた所にある特爾格特口岸(イミグレーション)で手続きし、出国スタンプをパスポートに押してもらってから、ゲートまで行く。ゲートは標高3700mにあるので、そこに多くの係員を待機させるのも厳しいし、緩衝地帯を設けるためでもあると思われる。

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イミグレーションのある街は小さい(カシュガルのワンブロック程度)ながら商店やレストランなどがあり国境の近さやイミグレーションがある雰囲気はなかった。ただ、イミグレーションは10時から12時 14時から16時しか開いていないので、その待ち時間の時間をつぶす場所にもなっているようだった。

特爾格特口岸まで

ホテルを出てから、口岸までは100km強、高速道路をひた走る。ただ、1度はパーミションの確認、他1回検問があった。

車窓からは天山山脈が見えるのかと期待していたのに、土の山が延々と続いた。(しかし、こんな奥地の高速道路でもQRコードキャッシュレス決済できるってすごいなあって感心。)

特爾格特口岸にて(10時間の拘束)

移動も手続きもすべてお任せ状態で甘え切っていたが、イミグレーションの検問でスマートフォンをチェックされ、10時間近くも拘束されることになってしまった。理由はFacebookやLineを中国国内で使っていたこと。これらは禁止されていて厳しくフィルタリングもされており、実際利用できないようになっている。僕は日本でAmazonで買った中国で使えるデータSimを使っていたのでそれらを利用できてしまっていたらしい。他の手段はVPNアプリを入れれば可能ということ。

取り調べではFacebookをなぜ使えたのかと言う質問から僕の人となりや思想的なものまで洗いざらい調べられた。時間がかかった理由としては職業が内部監査人なのでAuditerと説明しても、その英単語を知っている人がおらず、具体的にどんな業務かを説明するのに苦労したこと、Lineの中にウイグルは弾圧されていると聞いているけど・・と言う妻の発言があったことである。また、北京の民泊も説明に厄介になった。「北京ではホテルに泊まってないようですが、どこに泊まりました?中国人の友達はいないと言いましたが、友達の家なんじゃないですか?」と言われたが回答に困ってしまった。「たしかに、サービスアパートだけど、agodaで予約したのになああ(説明できなかったけど」)

さらに、何人かから職務質問を受け、一番偉いと思われる人には英語と中国語の通訳がついたが、その通訳の英語もひどく(翻訳機で訳しながらって通訳やないやん・・)さらに時間をかけることになった。 海外で冤罪になる理由で通訳の質の悪さがあるというのが良く分かった。(人は親切でしたが・・)

親切な警官

しかし、中国の警官はメチャ親切だった。寒そうにしていたら、暖房をつけてくれ、飲むためのお湯も持ってきてくれたり、ラーメンが好きだと言ってたのでラーメンを食事として用意(担当者の気配りでウイグルで有名なピラフになってしまったが・・)してくれたりした。刑事ドラマで犯人が取り調べ中にかつ丼を食べているシーンを思い出し、まじで泣きそうになってしまった。

職質中以外は自由だったが、強制送還されるのか、解放されても国境は閉まる時間だし、翌日から土日で国境は開かないので、キルギスへの迂回路を考えないといけないとか、そもそも強制送還だと以後海外旅行に行けなくなるんじゃないかとか、めちゃくちゃ不安になった。

拘束されてから10時間近がたち、1人の警官が、「早く荷物を纏めて、キルギスに行きますよ」って嬉しそうに言ってくれた。「でもこの時間じゃ国境は閉まってるんでしょ?」って聞いたら、「長い時間ごめんなさい。私たちもチェックしないといけないので拘束することになってしまった。国境はあなたのために開けるよう連絡しています。」と笑顔で答えてくれた。

夜のトルガル峠へ

解放されたのが北京時間で20時ごろで、そこからトルガルト峠まで約1時間半以上かかる。トルガルト峠越えは絶景だと期待していたのが一転、夜の移動になってしまった。まあ、解放されただけでもありがたいし、運転手さん、ガイドさんも待たせていたし、彼らの帰りは夜中になってしまうことも申し訳なく感じていた。

とは言え、実質(時差があれば)17時半ぐらいに出発したので、しばらくは車窓からの景色も楽しめた。

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イミグレを過ぎているから、人は住んでいないと思っていたが、ところどころに小さな村があった。西遊記(堺正章孫悟空の)で旅の途中で村ごとに妖怪が現れるシーンとなんとなく被って変に情緒を感じてしまった。まあ、その後もあった検問が妖怪なのかもしれない・・

峠まで30kmぐらいの所で日は完全に暮れてしまい、山の形はわかるものの写真には取れないようになっていった。

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DSC_0040そこからは、急な坂道を登っていく状況しかわからなかったが、突然正面が明るくなり、国境に到達した。時計を見たら22時ぐらいだった。国境には1人係の人が待っており、それまでの検問とは違い、優しく待ってましたと言う感じで、簡単にゲートを通してくれた。たぶん、イミグレから連絡を受けてた係員なのかと思った。

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運転手さんとガイドさんとはここ(写真はキルギス側から)でお別れ。彼らはカシュガルに着くのは深夜になってしまうし、道路も危険なので、本当に申し訳ないことをしてしまった。自分自身の詰めの甘さを痛感した国境越えになってしまったし、彼らにも迷惑をかけてしまった。

キルギス入国、ナルインまでの移動

中国側の運転手さん、ガイドさんにも迷惑をかけたが、キルギス側の運転手さんも待っていてくれた。(旅行会社の張さんが連絡してくれていた)

キルギスは2時間時差があるので、20時頃ではあるが、峠で何時間も待たしてしまったと思うと申し訳なく思った。しかも、峠は標高3700mで雪も降っていた。

峠からの景色は絶景と聞いていたが当然真っ暗である、ただ目の前にオリオン座が見える綺麗すぎる星空は今まで経験したことがないぐらい感動した。

キルギスの入国は中国の厳しさと打って変わって、「Welcome to Kirugistan!」って言ってくれるぐらいフレンドリーだった。入国カードも税関申告書も不要で、若干(税関係員の夕食が終わるのを)待ったが難なく入国できた。ただ、キルギスから中国への出国待ち大型トレーラの渋滞で道路が遮られ、なかなか、峠から出ることができなかった。

峠から最初の都市のNalin(ナリンと読む)までは、200km弱で真っ暗の中、3時間弱かかった。途中馬が飛び出してきてひきそうになるハプニングもあり、キルギスに来たっていう感じを受けた。

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ホテルには24時ちょっと前に到着。門は閉まっていたが、運転手さんが電話してくれて、ようやく長い峠越えが終わった。

↓ 翌朝目を覚ましたら、全く中国の雰囲気がなかったので悪夢から覚めた気になってしまった・・

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→ キルギス初日(ナルイン)

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