1つ前のページでも書いたが、今まで食べたものの中で一番おいしいと思った食べ物は羊の串焼きだ。羊の串焼きと言っても、いろいろあるが、このウズベキスタンの串焼きはシャシリクと言ってロシアの影響を受けたマリネした羊である。
シルクロード紀行をすると食べ物の移動も良くわかる。串焼きと言えば日本だと焼き鳥で、羊はない。中国に入ると羊の串焼きが食べるようになるが北京では唐辛子が強く、西側奥のウイグルではスパイスがクミンに変わる。そして、トルガルト峠(天山山脈)を越えると、肉はマリネされるようになる。マリネでもスパイスはクミンを使うが、ウズベキスタンに入ると玉ねぎの酢漬けを合わせて食べる。ヨーロッパに入ると串焼きではなくステーキやソテー、もしかしたらグラシュやビーフストロガノフ?に変わっていくのだと思うけど、そこまで旅は続けられないのが残念。
串焼きは、どれも美味だが移動の中でいろんな味を味わえるのが良い。僕はこのウズベキスタンの玉ねぎと一緒に食べるのが最高に美味しいと思う。これは、今回食べて30年前と同じ気持ちだ。
30年前(正確には29年前1991年)はウズベキスタンは崩壊直前のソ連の傘下にあった。このため、街には民主化の足音が聞こえ、屋台の串焼き屋が軒を連ねていた。串焼き屋の大将はマルボロやTシャツをセビッテ来てたが、みんな親切だった。通貨は祖ソ連のルーブルで、物価はソ連の観光者レート1ルーブル200円がなくなって5円になったところだったので、1年前にウズベキスタンに行った先輩は串焼きが1本200円ぐらいしたそうだが僕は5円から10円と破格で食べられた。(だいたい1本1ルーブルだった。安いところで1ルーブルで4本)
この旅では、流石に今はそんな破格ではないが、1本6,70円って感覚だった。
串焼き屋探索
昔はあちらこちらに串焼き屋があったが、今は食堂にしかないようだ。バザールでも屋台の串焼き屋はなかった。もしかしたら規制が厳しくなったのかもしれない。
手軽に食べれないため、安いお店を探すしかなかった。と言っても地球の歩き方とTripAdviserであるが。
ウズベキスタンに徹夜のバスで着いて、タシケントのカフェでトースト、サマルカンドのホステルで小さなパンとブドウを食べただけなのでさすがにお腹がペコペコだったので、一番評判の良いところを選んだ。
お店は最大級のモスク、ビビムハニム・モスクの裏手にある、バブルシャシリク・ハナ。オープンな雰囲気で、串の種類も多く安いのが良いのが決め手だった。結局サマルカンドで毎日食べに行くことになった。
トマトも焼く 冷蔵庫に並んだ串 美味 ビールも美味
1本70円ぐらいだが、日本の焼鳥の3倍ぐらいのサイズで食べ応えがある。ビールも置いてあって理想的なお店だった。もちろん、シャシリクの肉も柔らかく味付けも良いし、ナンも空腹を満たしてくれた。オバチャンは愛想悪いけど、それがなんか愛嬌に感じてしまった。
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